フロントフォークダンパーメンテナンス
友人のフロントフォークのコンプレッションアジャスターノブがどこまでもぐるぐる回る、とのことで、直したげる!、とライド後に強奪してきた。
物はDVO DIAMOND D2。普段自分のD1をいじり倒しているので内部構造は大体想像がついているのだが、どうもコンプレッションもリバウンドもD2の方がかなり弱め(どちらかというとこちらが好み)なので、中を見たかった。
まずはロワーを抜いて、ということでダンパーサイドのロワーボルト(対角18mmのアルミ)を回そうとして、お、案外固いぞ、と。普段使ってるレギュラーのソケットレンチでは掛かりが浅くて危ない感じ。
回せても傷になるよなぁ、ということで、まずアルミのソケットを作る。ここは普通はディープソケットを買ってくるんだろうけど、アジャストノブの突起をよけられるか、とかボルトとの勘合長は十分とれるのか、とかチェックしなければいけないので、クボタエンヂニヤリング的には作った方が早い。作ってしまえば緩めるのはほんの一瞬。
これでOK、と思ったら、ダンパーのコンプレッションユニットを抜くのがまた固い。ボディー側をバイスで咥えている部分が負けそう。
で、円筒クランプを作る。ここはダンパー上部径に合わせてΦ26mm。ここもクランプがあれば何という事もなし。
クボタエンジニヤリングとしては、サスペンションのメンテナンスはどんどんユーザーでやればいいのに、(もちろんリスクも自分持ちだが)と思うのだが、実際にやろうとすると、色々ハードルがある。こういう特殊ツールもそうだが、一見、六角や2面カットでモンキーレンチで回せそうな部品でも、アルミ製で工具の掛かりが浅かったりねじロックが入っていたりして、いじり壊す可能性も高い部分も多いし、そもそも、一般家庭では、クリーンかつ油で汚してもいい環境を作るのが大変だろうし。
自分の自転車は自分でメンテナンス/セッティングするんだ、という思想は大好きなので、どんなふうに支援できるのか、つらつら考えて行こうと思います。
外したコンプレッションユニット
調整ノブが回っちゃう原因は予想通り。メカストッパになってるイモネジが緩んでる。
脱脂してねじロック剤を塗布して組みなおし。ぎゅっと締めるとオリフィスが固定されちゃうので、そりゃあねじロック剤がなければ緩む。
コンプレッションシム部。D1ダンパーより枚数が多いな。
外してシム寸法を測りたかったんだが、どうもシムがうねっていて(写真ではうまく写せなかった)うっかり触ると特性が変わりそうなので、そのまま触らずに戻した。オーナーと相談して、希望があれば再トライ。
今回使った特殊工具類。(大径ソケットを特殊工具に入れるかは微妙だが)
上左から、オイルブリード用カップ、ロッドはたき用ボルト(M11P1.0)、Φ26円筒クランプ
下左から32mmアルミソケット(トップキャップ用)22mmアルミソケット(コンプレッションASSY用)18mmアルミディープソケット(ボトムボルト用)
今回、エアをきちんと抜くのが結構まだるっこしかったので、次回は真空ポンプを使えないか試して見よう。(まずは自分ので)