シムリング構造解析
自転車フロントフォークのダンパー設定変更用シムの寸法を決めるために構造解析を行った。久々に触るFreeCadFEM。(FreeCad0.21.2 Solver:CalcliX標準)最初、線形解析で見ていたんだが、いやいや、大変形だから非線形でしょ、ということでGeometrical Nonlinearityをnonlinearに切り替えてつつきまわしてみる。おぉ、非線形ばねだ、と喜んで、じゃあ、荷重点を外周から面領域に変えたら?、とやってみて、なるほど、と。
外周に均一に荷重をかけた場合の変形
円領域4点に荷重をかけた場合の変形
赤が線形解析、外周均一荷重。青が非線形解析 外周均一荷重。黄が非線形解析 円領域4点荷重の場合。
線形解析は変形を考慮しないから、最初の傾きのまま一定。非線形外周荷重は変形が大きくなるにつれて硬くなる。非線形円領域荷重は、荷重点が内側に入るので外周荷重と比べて最初のうち硬め、変形が大きくなってくると平面曲げに近いためばね定数の立ち上がりが小さい、といったところか。
今回設定を変えるのはフロントのハイスピードリバウンド。リアとのバランスを取るため、とりあえずスロープを20%程下げたい。
ピストンは上面フラットでリバウンド側穴が4個の形状で、今回の解析では円領域4点荷重が近い。
当初、シムをオーダーするつもりでいたのだが、ここまでやって気が付いた。シムは穴の縁を押さえて固定しているわけだが、この押さえる部分の直径を変えるとシムの硬さを調整できるな。
ということで、モデルの穴直径を振って様子を調べたのがこれ。
グラフがうねるのはなんでだろう?やわらかい側では線形で、そこから盛り上がって下がる。解析の問題なのか、そういうものなのかは判断つかないが、置いておいて先に進む。
シムの減衰力は開口面積の2/3乗に比例と仮定、元の寸法Φ10mmでの変形量^2/3を1として穴径を振った時の比率をプロット。
減衰力80%とすると直径は9.4mmというところ。
旋盤でスペーサを作って。
組み込み。
乗った感じは、80%かどうかはわからないけど落ちてはいるので、しばらく乗って様子を見ることにする。この手が有効なら、削り物の寸法で調整できるので便利。(硬くする側は寸法に敏感になって問題ありそうだが)